物損について
交通事故により車両に損害が生じた場合はその修理費用等を請求することができます。
修理費について
自動車の時価額と修理費用との低い方が認められます。自動車の修理費用の方が時価額より高額となる場合(いわゆる全損)には、特段の事情(同種同等の自動車を中古車市場において取得することが至難の業である等)がなければ、自動車の時価額が損害額となります。
買い換えが相当である場合の費用について
税金等で還付がなされないもの、通常自動車購入で必要な費用は損害として認められるのが通常ですが、還付される税金等は損害として認められないのが通常です。
評価損(格落ち損)について
これを認める裁判例と認めない裁判例とに分かれており、画一的な基準がないのが現状です。
したがって、個別の案件に応じて適切な主張を行うのがよいということになります。
代車について
代車使用の必要性・相当性が必要です。また、グレードについては、同等以下となるのが通常で、特に高級外車の場合は、特に高級外車を利用する必要性がない限り、国産高級車が認められる上限となっていることが多いのが実情です。
休車損について
自動車が営業目的に利用されており、代替車両の確保が困難な場合に認められます。
過失相殺について
交通事故により損害を受けた被害者側に、交通事故の発生についての責任(過失)がある場合、過失相殺といって、その割合に応じて賠償額が減額されます。
過失の割合について
事故の態様により、ある程度の基準がもうけられています。これを元に算定しますが、当事者間で合意が得られない場合は最終的に裁判所が判断することになります。
自賠責について
0%以上の過失があった場合のみ保険金が減額される扱いとなっており、別異の取扱がなされています。
保険請求について
自動車事故においては、多くの場合、保険から損害が補償されます。
自動車保険 自賠法により強制加入が義務付けられる自賠責保険と強制保険で支払われない部分を補償する任意保険とがあります。
自賠責保険
自賠責保険では、支払限度額が定められている一方、過失相殺も70%以上の場合にしかなされない取扱がなされるなど、被害者に対する最低限の補償という意味合いが強くなっています。なお、自賠責保険で補償されるのは人身に関するもののみで、物損については補償されません。
自賠責保険については、被害者から請求することもできますが(被害者請求)、この請求権は、原則として事故発生日から2年(後遺障害に関する損害は症状固定日から、死亡に関する損害は死亡時から2年となります)で時効にかかりますので、この期間が過ぎてしまいそうなときは、承認を受けて時効を中断する等の注意が必要です。
被害者請求よりもさらに迅速に被害者の負担を最低限、軽減するため、仮渡金請求をすることができます。これにより、最低限の書類で保険金の一部を先渡しにより支払いを受けることができます。その他、自賠責保険・任意保険ともに内払が行われる場合もあります。
任意保険
加害者車両が任意保険に加入している場合には、保険会社に強制加入で支払われない部分の保険金の支払いを請求することができます。この場合、2度手間をさけるため、自賠責部分についても一括して任意保険会社に請求する取扱がなされています。
任意保険会社との間では、保険金額について争いになることが多くあります。
特に、保険会社は、事実上、弁護士介入前の基準と介入後の支払基準とが異なっていることが多くあります。交通事故においては、弁護士により保険金請求を行うことが有利であることが圧倒的に多いのが実情です。
調停・訴訟について
保険会社との間で損害額、事実関係や過失割合等に争いがある場合、調停または訴訟を提起する必要があります。
調停
裁判所で調停委員・調停官が間に立って話あいを行う制度です。第三者が間に立つことで、合意に達する場合もあり、訴訟に比べて費用が安い、申立て手続きが簡易である等の利点があります。
もっとも、これによっても合意に至らない場合は、訴訟を提起する必要があります。
訴訟
最終的には裁判官が判断を下す制度です。判決が確定した場合、強制執行が可能となりますので、調停を行っても合意の見込みがない場合等は最初から裁判を提起する方が早期の解決が得られることもあります。
もっとも、裁判においては、当事者主義といって、主張・立証(証明)は当時者が行う必要があり、裁判所は判断を行うのみであることから、しっかりとした事実の主張・立証と法的主張が必要です。
弁護士法人英明法律事務所岸和田事務所の法律相談について
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